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消費税増税の観点から考える不動産の購入タイミング

zouzei
(写真=PIXTA)

 2015年4月に5%から8%への引き上げが行われて以来、2年振りの消費税増税が2017年4月に予定されています。不動産流通経営協会による「不動産流通業に関する消費者動向調査」データ(2014年発表)によると、消費税が8%に引き上げられた前回、増税前に購入を検討し「住宅購入時期を早めた」と回答した人が、全体の半数以上の57.3%にのぼりました。特に29歳以下の若い世代にその傾向が目立ち、増税前には「駆け込み需要」で購入者が増える傾向にあります。

 今回は消費税増税の観点から、どのタイミングで不動産を購入すればいいのかという点について解説します。

オーナーの負担は増えても、入居者の負担は変わらない?

 まずは不動産購入にかかる消費税についてご説明します。

 消費税は、仲介会社に支払う手数料や建物の購入費用(土地は非課税)、ローンを組む際の手数料など、様々な形で課税されます。増税されれば、投資用マンションなどの購入時に支払う消費税額も高くなり、オーナー側の負担が増えることになります。なお、建物に関しては、中古住宅では個人が売主であるケースがほとんどなので、課税されないことが多いです。

 また、賃貸物件の場合、入居者が支払う家賃や共益費・管理費は、基本的に消費税の課税対象になりません。そのため増税されても、入居者が部屋を借りるうえでの負担は変わりませんが、オーナーは管理会社へ支払う手数料などの税負担が増えます。

 さらに増税後は物価が上昇する傾向にあるため、消費者にとっては家計のやりくりが厳しくなります。居住者がより安い家賃の部屋を求めて転居し空室となる可能性があり、これも不動産を賃貸するオーナーにとっては大きなリスクになります。

居住用の場合、住宅ローン減税やすまい給付金による負担緩和が可能

 居住用住宅の場合は、購入者の負担を減らすための制度があります。古くから行われている住宅ローン減税では、返済期間が10年以上ある場合や中古住宅を購入した場合は、建物と土地に対して一定期間、所得税の控除を受けられます。

 住宅ローン減税の効果が受けられない場合でも、「すまい給付金制度」を利用することが可能です。2015年4月から2020年6月まで実施される新しい制度で、増税前の駆け込み需要を抑制するために作られました。実施期間中に引き渡され、購入者の入居が完了した住宅を対象に給付が行われます。

 居住目的で住宅ローンを組んで不動産を購入する場合、消費税8%の現在では年収510万円以下、10%への増税後は年収775万円以下の人を対象に給付金が受けられます。年収が低いほど給付金の額は高くなります。また、住宅ローンを組まずに現金で購入する場合は、50歳以上の人が給付の対象となります。

 給付を受けるためには、給付申請書と必要書類を全国のすまい給付金申請窓口へ持って行くか、すまい給付金事務局に郵送で申請します。

増税前の不動産購入は契約締結日も注意

 しかし、住宅ローン減税やすまい給付金の恩恵が受けられるのは、あくまでも住宅を居住用で購入する場合で、投資用の場合は適用されません。そうなると、現在投資用の不動産購入を検討している人は、増税前のタイミングで購入し、税負担を軽くするのが得策といえます。

 なお、不動産の場合、消費税が課税されるのは「不動産の引き渡し時点」という点に気を付けて下さい。引き渡しまでの期間によって、旧税率・新税率のいずれが適用されるのかが変わります。契約締結が増税前であっても、引き渡しが増税後だと新税率が適用されることになります。

 ただし、2016年9月30日より前に契約が締結され、増税施行予定日の2017年4月1日以降に引き渡された場合は、特例の「経過措置」として8%の旧税率が適用されます。これ以降に契約を締結した不動産はすべて10%の新税率が適用されるため、締結時期にはご注意ください。

まとめ

 本来、2015年10月に実施される予定だった消費税増税ですが、2016年3月に安倍首相から2017年4月まで見送る方針が発表されています。政府や与党内では、増税をこれ以上先延ばしにするべきではないという声がある一方、10%への消費税引き上げにより、さらに景気が落ち込み、税収が下がることを懸念する声もあがっています。

 10%への引き上げ時期が再び延期される可能性もあります。今後は政府の動向に注目しながら、増税前に引渡しが完了できるよう、不動産購入のタイミングを見計らう必要があるでしょう。

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